尾瀬ヶ原ハイキングor至仏山登山   yahoo地図  

『豊かな自然をたたえる尾瀬』至仏山や燧ヶ岳の2000メートル級の頂に囲まれ、さまざまな希少な動植物の生命をはぐくむ尾瀬。遅い雪どけから秋に再び雪を迎えるまでの短い時間、そこは命あるものの活力に満ちあふれます。色とりどりの可憐な高山植物、小さな体を震わせながら歌う小鳥たち。尾瀬はまさに天上の楽園です。尾瀬ヶ原は東西6キロ、南北2キロメートルの広大な湿原で春から秋にかけて有名なミズバショウ、ニッコウキスゲをはじめ数多くの湿原植物によっていろどられます。豊かな自然が残る尾瀬は、1934年には日本で4番目の国立公園に、1960年には国指定特別天然記念物に、そして2005年には、ラムサール条約登録地に選ばれました
本日は今年二回目の「尾瀬」です。尾瀬の見頃は、水芭蕉が咲く6月上旬、日光キスゲの咲く7月と紅葉の9月下旬〜10月上旬の3シーズンで、人口密度も高くなります。尾瀬ヶ原は上下線二本の木道となり、混雑時は渋滞が起こりますが、人気のシーズンには是非とも一度は訪れたい広大な大自然の美を堪能できます。 今回も蓼科山同様それぞれに地図を持って頂き、どのような一日を過ごしたいかを自己決断し、Bコースを自主選択して頂く予定でしたが、本日は、参加人数が多く隊長にフォローをお願いしたところ、天候と出発時間に恵まれたので4番目のコース「至仏山コース」を鳩待ち峠出発前に急遽作ります。マイカー規制がある為、乗り合いバスやタクシーに時間制限があることから、時間内に回れる力のある人をこちらから選出させて頂き、至仏山行きの選択をご自身に任せます。自主選択は、辛くても不満にならず頑張りぬく事が出来、耐性(トレランス)やスキル、そして自信も高まり、自立に欠かせないとても大切な要素です。人の要求や選択に引きずられ選択してしまうと、パワーダウンはもちろん、充実感や達成感、満足感や快適さは激減してしまうでしょう。
鳩待ち峠〜山の鼻まで、3.3キロの整地された木道を下ります。最初から下りなので、軽い足慣らしになります。

赤や黄色の紅葉が見事に色づいて目を楽しませてくれます。

8月9月の大雨の影響で道や橋が壊れ、9月22日までこのコースは閉鎖になっていたそうです。途中、道が崩れた跡や川が荒れた様子がうかがえましたが、川はいつもの平静を取り戻し、澄んだ清流となりさらさらと流れていました。今回、生まれて初めて尾瀬に足を踏み入れたという方も多かったですが、タクシーの運転手さんによると、湿原の風景も一部変わってしまったという位、水が流れ出たそうです。始めて尾瀬が数日孤立状態になったとか・・・。コンクリートやアスファルトで囲まれた市街で暮らす私たちは気づきにくいですが、今年の水害は、山々のあちこちで爪痕を残しているようです。

 至仏山コースを選択した勇者6人は、山の鼻に到着後、少しだけ尾瀬ヶ原の入口まで歩きすぐにリターン。尾瀬ヶ原と反対方面が至仏山の登山口となります。山の鼻〜至仏山のコースは、2.9Km 828m、ほぼまっすぐの直登りとなります。


尾瀬ヶ原ハイキングチームと至仏山登山チームとしばらく別れます。  先ずは、尾瀬ヶ原チームの記録へ
尾瀬の湿原は、1960年頃の尾瀬ブームで湿原が踏み荒らされ荒廃するなど、環境の危機に直面したこともあります。しかし、多くの人が熱心な自然保護活動を展開し、緑の回復に効果を上げてきました。尾瀬の約7割を所有する東京電力も、木道の整備や周辺の戸倉山林への植林など、尾瀬の環境保全に多くの時間と労力とを提供してきました。尾瀬はまた、日本の環境保護活動の先駆的試みを続けてきた地域でもあります。
尾瀬はいまも、ハイカーやカメラマンなどを魅了してやまない豊かな自然の魅力をたたえています。それでいて、木道や標識が整備され、体力にあわせたコースが選べることから、毎年多くのビギナーを迎えています。自然とひととの関わりを知るうえでも、尾瀬は最適な環境です。一度、ゆっくりと訪れてみませんか
 さて、尾瀬ヶ原チームは・・・・。どうやら、猛ダッシュで20Km近くを目標に歩くヒデちゃんが先頭を切っているようです。とにかく、ひたすら歩きたい!という信念が伝わって来ます。猪突猛進という言葉がありますが、まさしくそんな感じです。コース別にトランシーバーを持って頂きましたが、これがまたうっとおしいかったとか。ヒデちゃんは「目標設定したらまっしぐら」というとても力強いタイプです。そして、出来るだけ頑張りたい、出来ればダッシュで20Km達成したいという雰囲気で、その後をヒデちゃんを目標にして?いるかのようにヒデちゃんの後を追う3人、クーミン、さくらさん、ゆうゆうさんです。よだっぴは、蓼科山の経験を活かし、自分の体と対話しながら様子を見て決めようと、コース変更も兼ねて歩きます。

地塘には、ハスの葉が広がり、浮島やアカハライモリなどを見かけることができます。ハスの花の時期もいいかもしれませんね。魚も人間に怯えることもなく、大群でゆったり泳いでいました。 今年2度目の尾瀬再来となるくーちゃんと初参加の幸子さんは、山の鼻からまっすぐ4.2Kmの竜宮小屋までを目標に進みますので、ヨッピ橋へ向かう他6人とは、お別れです。往復15Kmのコースはありますから、結構な体力コースです。

今年1度目の尾瀬では回れなかった「東電小屋」を見たいと、休憩も脇目も振らず一気に東電小屋へ到着です。東電小屋は大変人気があり、沢山のご婦人たちで溢れていました。東電小屋を過ぎ、尾瀬の銀座と言われ6つの山小屋が立ち並ぶ『見晴』を目指し進みます。

山の鼻では目の前にあった至仏山がはるか遠くに見え、反対に遠くに見えていた燧ケ岳が近づいてきて頂上まで良く見えます。改めて、かなり歩いて来た事を実感すると共に、尾瀬の広さを感じます。見晴付近の紅葉は見頃を迎えており、山裾や湿原を囲む木々の見事な色づきに、目も心も惹きつけられます。

見晴到着です。モダンな造りの弥四朗小屋の前で昼食です。沢山歩いた後の食事は、とても美味しいです。食事をしていると驚いた事に、至仏山頂より隊長から無線で連絡が入ります。「一行山頂に無事到着」との事です。鳩待ち峠に3時半の待ち合わせの予定ですので、この分では至仏山チームは3時頃到着するかもしれないと、慌てて山の鼻まで再びダッシュで戻ります。

山の鼻で待ち合わせしていたくーちゃんと幸子さんが先に到着していて、念願の山ノ鼻小屋の美味しいソフトクリームを食べます。一足先にくーちゃんと幸子さんは、鳩待ち峠に向かって登り始めます。

尾瀬と紅葉に名残惜しさを感じながら、一路至仏山チームと待ち合わせの鳩待ち峠に向かいます。


至仏山登山チームの記録へ
尾瀬ヶ原の西側に燧ケ岳とは対照的な、なだらかな姿で相対している。尾瀬ヶ原とは反対側の水上町側は、ガラリと様相が変わり深く急峻な崖になっていて見下ろすと眼が眩むようなガレ場である。標高2,228m景鶴山につぐ古い山である。植相も燧ケ岳とは異なり、種類も豊富で雪解けの頃から紅葉が終わるまで山全体がお花畑になる。数え切れないほど多くの高山植物が群生しており、「高山植物の宝庫」と言われている。【花の見ごろ】7月上旬〜8月上旬
さて、こちらは至仏山チームです。尾瀬ヶ原を少し見学した一行は、いざ登山口へ突入です。

紅葉の山道を登ります。標高を上げていくと、見事な紅葉が目に飛び込んできます。

 だんだん眺望がよくなり、眼下に尾瀬ヶ原が見渡せるようになります。湿原の様子が良くわかりますが、皆さん、登頂することで精一杯で振り返る余裕はなさそうです。尾瀬ヶ原チームは今頃どのあたりを歩いているのでしょうか?そんなことも考える余裕はなかったかもしれませんね。精一杯の時は、今ここの自分に一生懸命集中します。トップを行くのはシーさんですが、彼女の根性は素晴らしいです。相当辛いと思いますが、周りに辛さを感じさせません。

途中、呼吸を整え直しもこもこを先頭に再出発をします。岩だらけの道におまけに鎖。若いということと精神力があるということで許可を頂いたマリーは、登山経験はほとんどなく至仏山を選択し、一般道にはありえない岩だらけの道にびっくり!で、恐怖という別の難関を体験します。

 森林限界を超え、尾瀬ヶ原や紅葉ポイントが眼下に見渡せます。大分標高を上げてきましたのが分ります。しかし、頂上はなかなか現れない・・・。試練の時が続きます。

ようやく山頂に到着です。ホッと一息して、ようやく山頂の展望の良さに感動します。記念すべき第一回目の自然探索WS、雨天決行プランで訪れた奈良俣ダムが至仏山頂から見下ろせます。

 無事、全員登頂です。2228m、山の鼻から標高差828m、達成です。やり切った表情と安堵が伺えます。表情は、人の心の中をよく顕してくれますね。

 小至仏山に向かいます。至仏山頂で岩との戦いも終わったかとの安堵感も束の間、ここでも岩に悩まされます。怖い〜!と叫び声が聞こえてきそうです。なにをそんなに怖いイメージをしていたのかしら・・・?

 足元から目が離せません。マリーの気の抜けない表情や皆と一緒の「Yahho〜!」も、相当歯を食いしばっていたみたいです。アンさんは、何を驚いていたのかインタビューを行いたいと思います。 

 オヤマ沢田代付近です。ここからは尾瀬ヶ原の景色が遠くなり、鳩待ち峠に向かって樹林帯を下山します。こちらの下山道も大雨の影響で道が滑落していました。下りになると、皆さん元気です。
尾瀬ヶ原チームは一足先に鳩待ちに到着し、至仏山チームを待ちます。隊長とシーさんが先頭切って到着です。最後にアンさんとマリーが到着しますが、マリーの再会最初の一言は、「私、ソフトクリームを早く食べないと死んでも死にきれないわ」でした。相当混乱が起こっていたのでしょうね。マリー、ソフトクリーム食べても死ななくて大丈夫だからね・・・。タクシーを待たせているのですが、貪るようにソフトクリームを頬張る至仏山チームを一息ついた尾瀬ヶ原チームは微笑ましく観察をしていたかどうかは、定かではありません。とにかく、事故も怪我もなく予定通り合流でき、一人一人の頑張りに感謝、感謝です。

 皆、いい笑顔ですね。それぞれの目標を自分で決め、自分と対話しながら行動してみる。誰かがやったからやるのではなく、誰がに言われたからやるのでもない。誰かにこう思われそう、言われそうだからやめるのでもなく、自分でやりたいからやる、自分でこれでいいと決める。そんな練習ができた人程、いい達成感、満足感、自己成長が味わえると思います。皆と一緒にいるけれど、すべてが一緒でなくてもいい。自分と周りにとって有益な結果に向かってやってみることが大切だと思います。自分らしく仲間達とふれあえると、人といてとても楽しくいられます。一回の体験から自己観察をし、ネガティブな反応が起こった時、どう自分と向き合うか、また、自己理想的な反応の仕方は何かを考え、次のワークの新たなる目標を作成していくと確実に「生きる力」が高められます。皆さん、大変お疲れ様でした。